【スポーツインフォメーション堺 Vol.15】
●特集/自転車で走ろう!
楽しく走ろう
無理せず、ゆったりと景色を楽しみながら自転車で走れば、季節をからだ全体で感じることができます。そこには、今まで身近でも知らなかった見えなかった発見・出会いがあるかもしれません。また、自由きままに走ることによって、気分転換・ストレス解消ができます。

・楽しく走るって?
雨が降りそうな時や夜間は走らない。急いだり、がむしゃらに走らない。走りながらも、見るもの聞くものすべて楽しみます。
走り方にもいろいろあります。目的もなく、当ても無く、ただぶらぶらすることもあれば、目的地を目指し走ることもあります。目的地にもいろいろあります。様々な施設を目指したり、おいしいコーヒーやランチの店を回ったり、お気に入りのショップを探したり、緑を求めて走ることもあります。それぞれの思いで楽しみながらが一番大切です。

・有酸素運動で心肺機能向上
自転車は、自分のペースで走ることができ、ジョギングほど疲れることはありません。続けることによって血液循環がよくなり心肺機能が向上します。また、下半身だけを使う運動のように思いがちですが、バランスを取りながら走っているので、上半身も予想以上に使っています。前傾姿勢で乗るスポーツタイプの自転車では、サドル、ハンドル、ペダルに体重が分散され疲れにくく、より上半身の筋肉も鍛えることができます。

・ダイエットにぴったり
肥満とは「身体の中に必要以上に脂肪がたまり過ぎた状態」のことです。ダイエットをするにはできるだけ多くの脂肪をエネルギーとして消費してくれる運動が効果があります。激しい運動をするときは、肝臓や筋肉にある糖分をたくさん燃やしてエネルギーに変え、脂肪はあまり燃えません。自転車で普通の走り方(時速15km/h程度)をする場合の軽い運動強度では、脂肪が運動のエネルギー源となる割合がほぼ最大になります。つまり強い運動を短時間する場合よりも、軽い運動を長時間する方が消費エネルギーも大きく、脂肪を減少させることができるのです。

・長く続けられる
ダイエットに効果がある運動には、ジョギングや水泳、エアロビクスなどがありますが、水泳やエアロビクスは施設が必要だったりお金がかかります。自転車は、ジョギングと同じようにエネルギー消費は大きいですが、足や膝に思わぬ負担がかかることはなく、しかも疲れにくいのです。水泳やジョギングは動作を止めると沈んだり、止まったりしますが自転車は、慣性力でそのまま走っていきます。心地よい風が、ほてった身体を癒し、汗を乾かしてくれ爽快です。また、周りの景色が次々と変化していくのもまた楽しいものです。しかも座って運動するので長い時間続けることができます。

・高齢者にも最適
日頃あまり運動をすることが少ない高齢者の方でも、自転車に乗る軽いやさしい運動で、まず足からくると言われる衰えを防止することができます。また、からだの重みが、足に直接かからないので肥満の方や体力のあまり無い方でも膝への負担が少なくてすみます。また心臓への負担も小さく、自転車に乗ると自然と腕や肩の力を使ってバランスをとろうとバランス感覚も保たれます。

・環境にやさしい
最近、大きな問題になっている地球温暖化を防止する一つの対策として、自転車は無公害、省資源の乗り物として利用の拡大が期待されています。自動車の排気ガスや騒音、交通渋滞に対して地球環境に優しい乗り物です。
今、京都市内につづき東京都内の一部で、自転車タクシー「ベロタクシー」(※ラテン語でベロ〈velo〉は自転車の意味)が走っています。ベロタクシーは3輪で、運転手が1人と後ろに2人まで乗ることができ、屋根もついています。ヨーロッパでは11カ国に広がっています。他府県の個人や自治体からも問い合わせが多いといいます。

・予想以上に汗が
自転車は、下半身だけでなく意外と筋力を使っている全身運動です。風を切って走るので、汗が出ても心地よくすぐ乾いていきますが、思った以上に汗が出てきます。夏場でも冬場でも水分をこまめに補給することによって、血液の流れを正常に保ち運動能力の低下を予防できます。休憩、水分の補給、エネルギーの補給を適切に行うことによって疲労を予防し、回復力を増すことができます。

・身体にあって自転車で
正しく調整された自転車で走ることが基本です。まずハンドルとサドルとの高さを自分の身長に合わせて調整します。自転車が身体のサイズに調整されていないと乗車姿勢が悪くなり長時間走っていると、腕や手、腰やお尻、足などが部分的に痛くなります。

・安全に 
安全に乗るには、ルールを守ることと、ブレーキやタイヤの空気など点検整備はしておきましょう。

・出かけよう自転車散歩(ポタリング)
自転車に乗って、ふらっとでかける。のんびり・ゆっくり自転車にちょっと乗ってみる。そんな気楽な自転車の楽しみ方、自転車を使ってぶらっと散歩することをポタリングと呼びます。

・自転車を借りての参加
自転車博物館サイクルセンター(堺市大仙中町165番6)が主催する『自転車散歩』に参加しました。
これは初心者の方に幅広くサイクリングの楽しみを味わってもらおうと、1996年からはじまった参加費無料(自転車保険の加入は必要)自転車のショートツアーです。博物館の事務局長中村博司さんに案内してもらいました。
天気も快晴のこの日、午前9時30分にサイクルセンター横の駐車場に集合。今回参加したのは、ご夫婦や、母娘の親子、おばさんと一緒の小学生、などさまざまな年齢層のかた13人。そのうち自転車を持ってこられた人は11人。私ともう一人の男性2人が、サイクルセンターでマウンテンバイクタイプの自転車を借りました(500円)。3人の方は、自分の自転車を自動車に載せて持ち込まれました。イタリアのメーカー製だそうで他の物とは、一見して違う自転車でした。私の借りた自転車は、前輪と後輪のどちらにもショックを和らげるWサスペンションタイプで変速機を付いています。早速、サドルの高さを調節してブレーキの利き具合も確認。きれいなワインレッド色です。

・仁徳陵を一周
まず出発前に一人ずつ自己紹介。中村さんを先頭とし、最後尾を走る人を決めて仁徳陵に向けて出発。ここからは十数秒で御陵の前の道路に出れます。自動車道路から御陵の周りを囲むお堀の側道に入ると道幅がそれほど広くないので、一列に並んで走ります。お堀はこの時期、思ったより水が澄んでいて底が見えるほどきれいです。大きな鯉が泳ぎ鴨が悠々と浮かんでいます。お堀に沿って走って、白菊高校の正面玄関前を左折、大阪女子大学の方面へ。約3キロほどで一周できました。お堀の横で止まって、中村さんから仁徳陵の説明を受けました。

・はじめて見た堂々とした履中陵
今度は、広い大仙公園の中を通って、日本庭園前でちょっと休憩。公園の中の道は広く、歩いている人がいても危険なく走れます。さらに公園を突き抜けて、履中陵へ。冷たいけれど気持ちがいい風を切って、初めて走る御陵の側道。そのほとんどの部分は、きれいな石畳になっており、散歩しやすいように整備されています。このあたりは大変静かで、御陵に面して大きな立派な家がずらっと並んでいます。こんな高級住宅があることを、この時初めて知りました。履中陵も間じかに見たのはこれが最初でしたが、お堀の幅は予想以上に大きく、御陵の全体像が見通せるだけその堂々としたスケールに圧倒されました。履中陵の正面で、自転車を並べて記念撮影をしました。こんな素敵な場所が、身近にあるのを知らない人も多いのではと思いました。

・子どもに返った気分で
次は、大仙公園の横にある「大伸公園 自転車ひろば」へ。ここには8種類の世界のクラシック自転車のレプリカがあり、体験試乗をさせてもらいました。子どもに返った気分でいろいろな自転車を、私も楽しめました。他のみなさんも交代に次々乗って、遊びながら自転車200年の歴史や仕組みを学べました。20分あまり遊んだ後、また大仙公園の中を通ってサイクルセンターに戻りました。いろいろ思いがけない発見ができ爽快で楽しかった、あっという間の約2時間、走行距離20キロ弱のミニツアーでした。コースは他に、季節によって梅や桜、コスモスを見るコース、歴史を巡るコースなどテーマを設けて楽しめるように工夫されたものがあります。他のコースも、いろいろなポイントを回り楽しめそうです。
また、いままで気づかなかった古墳の美しさに触れ、これを機会に市内の古墳すべてを訪れてみたいと思いました。さらに、こらからは参加するだけでなく次のステップとして自分でコースを組み立て、家族や友達と一緒に出かけてみたいとも考えています。
この企画は毎月1回、主に日曜日に開催。要予約。申し込みは自転車博物館サイクルセンターTEL072-243-3196へ。