【スポーツインフォメーション堺 Vol.20】
●スポーツエッセイ
スポーツって!! ―スポーツクラブ体験談より―

堺市小学生バレーボール連盟役員
堺市ボランティアスポーツ指導者
前田昌美

私は、スポーツクラブに入会して、もう7年になります。入会した当初は、マシンを使ったトレーニングが目新しく、けっこう熱心に通っていました。それまで6年程、ジャズダンスを習い、また、バレーボールをしていたこともあり、体を動かすことが大好きでしたが、マシンを使った経験はほとんどありませんでした。またエアロビクスはジャズダンスとは違った動きで、このようなエクササイズに参加するのも、私の人生にはなかったことで、日々新鮮でした。通う時間もマイペースでよく、仕事をしている私でも無理せずに通えました。顔見知りの人もでき、自然と話ができるようになりました。
ところが、バレーボールのコーチ、役員、スポーツボランティアとなって、土日が試合
連で、つぶれる日が多くなりました。仕事で1日がんばると、夜疲れて「もう家に帰ってしまおう」という気になり、足が自ずと遠ざかりました。とうとう、クラブには、1日も通っていない月も出てきました。朝、行きたいと思っても夜になると「やっぱり帰ろう」と思ってしまう。その葛藤で、悶々とした日が続いたある日から、仕事が5ヶ月間無くなった時期がありました。ハローワークに通いながら、ボーっとするのも、アルバイトをするのも気が向かず、遠のいていたクラブに、ここだとばかり、毎日のように心置きなく通えることになりました。朝からクラブ、昼もクラブ、夕方から、バレーのコーチという日が続きました。貯めた貯金を食いつぶしながらではありましたが、私にとって、この5ヶ月間は、ある意味、幸せだったといえます。スイミングも習ったことがありませんでしたので、水中ウォーキングだけをしていた私は、基本から習ってみたいという気になりました。エアロビクスの種類も増え、新たに顔見知りになった人とは、お茶や食事に行ったり、「少し引き締まったかなあ」「体が軽くなった」とか・・・、お互いの調子を語り合え、共通の話題もたくさんできました。仕事は無いが、充実した日々だったと、今は思えるほどです。仕事が入り、勤め始めると、せっかくできた昼の友だちとは、会えなくなり、仕事の忙しさに、ぱったりと、また通わなくなりました。
2年程前から、クラブのテニスとスイミングも習いだしました。マイペースながら、気楽に通っています。一時期「通えない~。」と落ち込んでいましたが、クラブに通う中で、自分のペースがわかってきましたし、長く続けていきたいことに、変わりはない気持ちですし、テニスに通いだして、驚いたことも加わって、このような今の気持ちにたどり着きました。その驚きとは、私がテニスをし始めたきっかけは、無料体験をして、基本の打ち方、特にバックハンドの打ち方を教えてほしいと思った単純なことからですが、私といっしょに始めて、今上級クラスにいった人は、「もっと上手くなりたい」と、連続して2レッスンを受けたり、別料金を払って特訓を受けたりと、どっぷりテニスにつかっている日々を送っていることを知ったからです。もちろん、テニスのコーチも熱心で、レベルに応じた指導をしてくれることも大切です。仲間も増え、始めたときの目的より、いつの間にかもっと別の目標もできたからです。
この前も、スポーツクラブの何名かがインストラクターも含んで、ホノルルマラソンに参加していましたが、全員完走したそうです。ホノルルマラソンで走るためにクラブに入会した人は、その中で何名だろうか。走りたいという仲間を募って、』目標をホノルルマラソンにしたのかも。1人で参加するより、何倍も楽しく良い思い出もたくさんできたのではないだろうか。近所の人も、最近できたスポーツクラブに通っているそうで、この前出合った時に「3ヶ月で、10㎏痩せたんです。こんなにスポーツが楽しいとは思えへんかったわ」と話していました。
スポーツって、始めた時の目的で続けるのではなく、始めた後の新目標ができて、続けられるのであり、そこには、仲間・やる気・目からうろこが落ちる等、人それぞれの拠り所が力となり、それが加わって初めて、その人のスポーツ人生があるんだなあと感じました。私も私なりのスポーツ人生を楽しみたいと思っています。スポーツって、人生だ!