【スポーツインフォメーション堺 Vol.8】
●ヘルス インフォメーション
運動による発汗と水分補給について
私たちは運動すると「汗」をかきます。これは「汗が皮膚上で蒸発する際の気化熱を利用した体温調節」であり、わかりやすく言えば「汗をかいて熱を体外に放出し体温を下げている」ということです。
ひと昔前は「運動中は喉が渇いても絶対に水を飲むな」と言われ、運動中の水分補給はタブーでしたが、これは科学的根拠に乏しく多聞に根性論(精神論)によるものといえます。
しかし今はどうでしょう。例えばマラソンでは、一定距離ごとに必ず給水ポイントが設けられ、水分をうまく補給できるかどうかが、直接選手の成績・順位にも影響し、運動中の水分補給は選手にとって欠かせないものになっています。
そこで今回は、<運動による発汗と水分補給について>説明しましょう。
汗の成分は99%が水分ですが、なめるとしょっぱく感じられるのは塩化ナトリウム、つまり食塩です。このように多量の発汗で水分だけでなく体内のミネラルも失われます。
★運動による発汗で体から急激に多量の水分とミネラルが失われると、次のような症状をきたす恐れがあります。
・頭痛、全身倦怠感といった症状や筋肉に痛みや痙攣をきたし運動能力が著しく低下する。
・「熱射病」状態となり必要な措置をしなければ生命に危険をきたす。

このような症状に陥らない為にも、運動中に汗として失われた水分は、できるだけ速やかに補給しなければいけません。
☆その際、次のことに気を付けてください。
・運動中の水分補給は、一般的な水だけでも十分です。ただ、一度に多量の水を飲んだりすると、お腹が痛くなったり気分が悪くなることがあるので、定期的に少量ずつを何回かに分けて飲むようにしましょう。
・運動中、脚などの筋肉が痙攣すればミネラルの不足が考えられるため、水よりも100%果汁ジュースやスポーツドリンクで補給するのが良いでしょう。市販のスポーツドリンクの多くは水分の他、ミネラル、ビタミン類や適度の糖分を含み、水よりも体の中で吸収されやすいように成分調整されているため、かなりの量の発汗を伴う激しい運動では、運動直後にスポーツドリンクで水分補給するのが効果的です。