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【スポーツインフォメーション堺 Vol.10】 |
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●特集/堺ブレザーズの動きを追って |
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企業内クラブから地域密着型で動き出した堺ブレイザーズ。ゆくゆくは、『いつでも、市民に身近にスポーツを楽しんでもらおう』という総合型地域スポーツクラブの夢をもっています。今回の特集では、今、行っている活動を通して、地域といかに関わりあるかをレポートしてみました。
中学校に堺ブレイザーズがやってきた!
堺市では、中学校部活動活性化のため、今年度新たに堺市運動部活動活性化推進事業を行います。この一つとして、堺ブレイザーズの選手たちが合計5日間、11校の中学バレーボール部員を指導する機会が実現したのです。
6月2日(土)平井中学校、八田荘中学校、泉ヶ丘東中学校、野田中学校の4校、およそ150名(いずれも女子)が合同練習する平井中学校を訪問しました。堺ブレイザーズからは酒井、小西、市橋、笠、山本の5選手と小田部長が来校して大きな規模になりました。
マイクを持って舞台から酒井選手が練習の指示。最初は4校合同で、しかも、男子バレーのトップ選手が前に立っているということで、生徒たちは緊張していました。しかし、選手たちが声をかけていくと、30分もすれば、楽しくなごやかなムードにかわっていきました。
現役の選手から直接パスをもらったり、アドバイスを受けて生徒は感激していました。 堺ブレイザーズの小田事業部長は、選手たちに事前に、①一緒になって行うこと。②短パン姿でいつでもプレーできる服装で、やる気を見せること。③魅せるプレーを盛り込むこと。と言ったそうです。
後半に入るといよいよ魅せる練習です。まず、サーブ。その迫力にオーというどよめき。さまざまな種類のサーブが打たれました。そして各校3名が出て、レシーブ体験。おっかなびっくりの生徒もいたようですが、選手のサーブをとめた時には歓声が湧き起こりました。次にA、B、Cクイック。多彩アタックが床にバーンと打たれます。すごいスピードのボールの音に、オーというどよめきと惜しみない拍手。生徒たちは、間近でないと決して味わえない貴重な体験をしました。―「スパイクすごい。」「アタック取りたかった。」「選手カッコ良かった。」「思いのほか、ていねいに教えてくれて良かった。」「楽しかった。バレーが好きになった。」など感想もいろいろ。
最後の質疑応答では、生徒たちの天真爛漫な質問に選手のみなさんは、ていねいに、ユーモアを交え答えていました。とてもなごやかな楽しい練習会でした。
参加した選手たちの声
酒井「定期的なミーティングの中で子どもたちの現状を教えてもらってはいたが、行く前は、正直いって、どんな感じかな、という思いがありました。行ってみると、部員たちの取り組む姿勢が良いこと。眼を輝かせて一生懸命やってくれるので、こちらとしても楽しめました。」
小西「なめられているのかな。子どもに人気があるんです。」
市橋「地元の中学バレーと触れ合うのは、地域の人に応援してもらう上で大切。知ってもらうことが底辺の拡大につながればいいな。」
笠 「思った以上にできる子が多かった。こんな機会は自分にとってもたいへん勉強になります。子どもたちを相手にいい経験になる。将来的にも役立つ取り組みです。」
山本「初対面なので、できるだけ声をかけ中に入るようにしています。」
小田事業部長「日本のバレーボール界は若い人を育成する必要がある。やりたくてもやれない子がバレーボールをできるように、もっと多くの機会を作っていきたい。底辺を広めていけば、いずれは全日本に出る人材育成になり、これこそが、日本のバレーボール界を活性できる。生徒の中に入り、いつでもプレーができるよう、現役トッププレーヤーとして、生徒にプレーを見せるように、と言っている。」
各顧問の先生の声
大竹先生(八田荘中学校)
「生徒が頂点と出会う。そこから、がんばろうと言う意識が生まれる。今日は、ひとつの出会い。今後は、セッター、リベロ、センターなど、役割別の練習をやってほしい。」
上田先生(野田中学校)
「メニューは、普段と変わらないが、本物のプレーに触れることができて、子供たちの目が輝いていました。プレー一つ一つの魅力がやはりちがうのでしょう。こんな風に、もっと生徒たちに身近な所でプレーを見せたいです。」
吉村先生(平井中学校)
「内容的には変わらないのにとても新鮮です。参加生徒には、楽しい思い出になりました。生徒に、普段の練習は、つらくしんどいけれど、次がんばろうという気にさせてくれてとても良かったです。」
地域に根ざしてとにかく動き始めた堺ブレイザーズ。まだまだ、超えなければならないハードルがあると思います。『ブレザー』には、『絶対に負けないイギリスの艦隊』という意味もあるそうです。貴重な体験ができた生徒たちの素直な声を追い風にして、素晴らしいプレーを見せてください。
堺市中学校運動部加入生徒保護者講習会開催
7月7日(土)、親日鐵堺の管理センターにおいて、堺市中学校運動部加入生徒保護者講習会が開催されました。管理栄養士中川さんの講演の質疑では、食べ盛りの子どもを持つ保護者の関心の高さをうかがえました。また、堺ブレイザーズ選手たちの食事、水分補給の話題など、興味あるものとなりました。
次に行われた小田事業部長の講演では、新日鐵男子バレーボール部が、黄金期を迎える前の話、当時の一流のチームになるがためのいろいろなエピソードが披露されました。特にミュンヘンオリンピックゴールドメダリストの中村祐造氏が、毎日のように、「日本一になれ!」「小田は、ジャンプ力があるからA、Bクイックを鍛えよ。」さらに、寒い日でも、中村氏が一番にユニホーム姿になってコートに向かっていたことなど、本気で日本一になるがための体験談として心に残るお話でした。目標を持つこと、鍛錬すること、など並々ならない努力で栄光をつかむ。しかし、油断するとすぐだめになる。最後の方で、『スポーツで感動できる』『苦あれば楽あり、楽あれば苦あり』とおっしゃった言葉が印象に残りました。
昼食時に並行して、保護者の質疑に耳を傾け、ていねいに応答される小田事業部長は、とても、エネルギッシュでした。
保護者の皆様には、この講演会をきっかけとして、堺ブレイザーズの取り組みに関心を持っていただけたことでしょう。明るく、着実に実績を残して堺のスポーツ振興に貢献していってほしいものです。
ジュニアブレイザーズが誕生だ!
堺ブレイザーズがスポーツクラブとして発足した当初から、地域に密着して底辺層を拡大し、下部組織の充実のためジュニアチームを作る構想がありました。
ジュニアブレイザーズの誕生のきっかけについて、錦少年バレーボールクラブ部長の礒田氏(林昌寺住職)は、次のように話をされました。「昨年、錦少年バレーボールクラブ6年生の保護者の方が、ブレイザーズ紹介の記事を見て、連絡したところから始まります。堺ブレイザーズの小田事業部長が、保護者の会に来てくださったのです。
というのも、この年の10月に校区の中学校の男子バレーボール部がなくなり、中学校にあがってもバレーボールを続けさせることができないのではないかという不安があったのです。本来、ジュニアブレイザーズ構造は2,3年先のことでしたが、話がトントン拍子に運び、今春、錦少年バレーボールクラブを卒業した10名が、ジュニアブレイザーズに参加することになったのです。」
さて、錦少年バレーボールクラブは、現在、男子の少年バレーボールクラブで、6年生8人、5年生9人、3年生6人の23名が所属しています。
磯田氏は、さらに、お話を続けられました。「ジュニアブレイザーズの子どもたちは卒業生としてよく錦少年バレーボールクラブの練習に協力してくれます。監督の長谷川氏が、練習で挨拶や礼儀を大切にしていることもあり、後輩たちに声をかけたりボールをあげたり、面倒見が良く暖かく交流しています。
今は、参加しているこの子らが、かわいくてしかたがないんですよ。ジュニアブレイザーズの道が開け、励みができました。今後、いろいろな会社のジュニアチームが集まって試合ができたらいいなあという夢があります。」
いろいろな結びつきがあり、誕生したジュニアブレイザーズ。これから、どう活動を展開していくのか、ジュニアブレイザーズの今後を暖かく見守っていきたいと思います。
長谷川監督のお話
指導者としていい機会を与えてもらえました。
練習以前として大切にしていることは、返事、挨拶などの言葉使い、人としての礼儀作法ですね。本気で怒ったこともあります。9月に公式戦・全国ヤングバレーボール大会に参加しますが、現状でのクラブチームとして参加できるチームが少ないので試合の要請があれば、どんどん出向いていきたいし、来てほしいと思っています。
会社としては、地域に根ざし底辺をひろめ、バレー人口を増やすテーマがあります。個人的は、高校から誘いを受けるような、堺ブレイザーズから誘いを受けるような、オリンピックに出場できるような選手を出したいです。もっと人数が増え、いずれは、堺ブレイザーズとの間をつなげられるチーム、ジュニア→ユース→堺ブレイザーズとなるような組織をつくり、強いクラブチームを作りたいと願っています。
この取材を通して、ジュニアブレイザーズは、好きなバレーを続けることができて本当に満足そうでした。現役のトッププレイヤーが身近にいることも魅力なのでしょう。ジュニアブレイザーズの活動趣旨が、地域の理解と共感につながり、さらに広まれば、将来のクラブチームに対する市民の意識も変わることになるでしょう。支援の動きに拍車がかかることを期待しています。
魅力あふれる堺ブレイザーズの選手たち
選手の声が聞けたよ
・酒井選手
「地域の総合型スポーツクラブとして、全ての世代を越え、スポーツを通して交流していくのがチームのテーマです。昨年12月から始まって、当初、どうなるのかという思いがありました。今は、実際に地域に出向き、中に入らせてもらって教えることで、人間として、いい勉強になり、いい経験ができたと思っています。以前なら堺の方々とあまり交流がなかったのですが、地域、社会との『触れ合い』が、自分の中では、大きく変わってきた意識でしょう。いろんな人との『触れ合い』から堺市に接することができました。堺市に愛着がわきます。」
・渡辺選手
「応援してくれる人たちが多くなってきて、いろいろ声をかけられたりしています。」
・小西選手
「『堺市』を全国に広めていきたい。地域に密着したスポーツを全国に知らしめたい。プロとして優勝したい、その中で、チームに貢献できたらいいなあ、という思いがあります。」
練習や合宿の忙しい中にあって、インタビューに答えていただきました。プライベートな面では、生活が寮、社宅と体育館の往復なのでチームの誰かといつもいる(?)そうです。チームの選手同士の中は良いのでしょう。地域に密着した取り組みがはじまり、地域との触れ合いに対する予想以上の愛着がチームにでてきたようです。しっかりとした志のある若者の姿が、さわやかな笑顔の中に見えました。
迫田管理部長のお話
〈地域密着について〉
「街に出向いて、バレーボールを普及する。この出向く点がいいですね。この前のJT戦では、三宝地域の町内会の皆様がこの新日鉄の体育館にたくさんやってきて、応援していただきました。今まではなかったことですよ。また、アルゼンチンとの親善試合も従来ではではできなかった取り組みです。雨の中大勢の人に集まっていただきました。試合も熱戦で、堺ブレイザーズのインパクトはあったと思います。」
〈堺ブレイザーズの選手たちについて〉
「今の選手たちは、自分の立場、役割をしっかり理解できていると思います。堺ブレイザーズの発展は、自分自身の発展になるととらえています。トップチームの中で勉強したいなど選手たちは、志を持って入ってきます。アルゼンチンとの親善試合の前には『堺東の駅に出向いて、チケット売りましょうか』と、申し出た選手がいるほどです。」
〈今後の課題〉
「地域に出向くことは、当初の不安を吹き飛ばす効果がありました。なによりも人を教えることで、選手たちの人間的な幅が広くなりました。今後、地域密着のためには、とにかく、堺ブレイザーズが強くならなければならない。これからは、チームの強化と営業の強化のバランスが課題です。伝統ある有名企業チームが廃部の危機にある現在、他の企業は、うちの立ち上げからの取り組みに関心を持っています。単なるサクセスストーリーに終わらずどんどん地域に出向き、地域の理解のもと発展させていきたいですね。」
堺ブレイザーズ観戦 ―本物の迫力ある熱戦が間近で―
家族連れ、小・中学生のチーム、仕事帰りの仲間やカップルなど、激しい雨の中を次々と人々がやってくる。コートセッティングや受付などは、堺ブレイザーズの小田事業部長チームの方々、堺バレーボール協会の皆さん、堺市立工業高校のバレーボール部の部員、先生などが手伝っての手作りだ。
6月19日、熱気に包まれた金岡公園体育館の大体育室において、堺ブレイザーズとアルゼンチンナショナルチームとの国際親善試合が行われた。
シドニー五輪で、4位に輝いたアルゼンチンは、次のオリンピックにむけて、長身の若手有望選手でチームを作っている。堺ブレイザーズも中垣内選手は欠場したもののVリーグに向けてほぼベストメンバーで臨んだ。幡谷市長挨拶、花束増呈のセレモニーの後、試合開始。バレーのトッププレーヤー同士の迫力ある試合に、大勢の観客たちは、一喜一憂。熱烈なブレイザーズサポーターの応援もあり会場は、大いに盛り上がった。ほぼ互角の展開で、スパイクされたボールを粘って拾うなどお互い持てる力を十分に発揮できたようだ。
試合は、ファイナルセットまでもつれこみ、おしくも僅差で堺ブレイザーズは、敗れてしまった。しかし、堺の体育館に出向き、手作りで準備して、何よりも堺の人たちに、試合でアピールできたことの意義は大きい。次の試合に向けて炎の鉄人たちのさらなる飛躍を期待したい。
試合観戦した、バレーをしている皆さんの一言
・錦少年バレーボールクラブ
中谷(小3)「ツーアタックがすごい。ジャンプがすごい。」
射場(小6)「たまにボールが、みえなくなる。ブレイザーズみたいなことをやってみたい。なりたい。バックの人がすごい。」
大口(小6)「ブロック、アタック、サーブがうまい。」
別所(小5)「サーブ、アタックが強い。」
宇野(小5)「アルゼンチンは背が高い。ポジション取りがすごい。」
・府立登美丘高等学校男子バレー部
宮永(1年)「ボールを拾うプレーがすごい。アルゼンチンは、構えなしでボールをあげるサーブカットがすごい。」
芝山(2年)「コンビプレーにバックを使っているのはすごい。」
伊藤(2年)「ボールにもっと執着すれば、もっと拾える。」
高口(3年)「セッターが、ライト・レフトにボールを上げる点が高校生と違うしすごい。」「明日からの練習に弾みがついた。いいプレーが見られて良かったし、自分たちも努力していきたい。」
・ジュニアブレイザーズ(全員中学1年)
中村「今日はブレイザーズの調子が、良かった。負けたのがちょっと…。」
泉谷「強いアタックが見られた。そんなんになりたい。」
谷山「ボールコレクターをやっていたので、間近で見られた。良かった。」
有川「プロのアタック、迫力あった。」
磯田「両チームともプレーが決った時、本気で喜んでいた。」
保田「アルゼンチンのブロックがすごく、ブロック3枚跳んでも突破してすごい。」
杉田「両チームのレシーブ・アタック、参考になる。」
中尾「両チームとも、どこにボールが跳んでも、元気に希薄あるプレーをしていた。そんなプレーを自分もしたい。」
諫山「両チームともサーブ・レシーブがうまく、参考になる。」
これからの堺ブレイザーズの取り組み
○中学生総合スポーツクラブ大会
11月4日(日)13時~17時
堺市中学生のクラブ活動活性化のための新日鐵堺野球部・柔道部の現役・OBによる実技指導を開催。
○中学校体育連盟主催による中学生指導者講習会への講師派遣
12月6日(木)
チームづくり、スポーツクリニックについて指導者を対象とした講習会を開催。
○堺区域ふれあいまつり
11月18日(日)
堺ブレイザーズ選手たちのサイン会があります。
1回目 午前11時~午前12時
2回目 午前2時~午後3時
今後のいろいろな取り組みを通して、堺という地域に、もっともっと身近な存在であることをアピールし、堺を元気づける存在になってください。そして、総合型地域スポーツクラブに向かって、夢を広げていってください。
取材に協力してくださった皆様、どうもありがとうございました。
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