【スポーツインフォメーション堺 Vol.5】
●すぽーつわんだーらんど
スポーツは生きている!?
以前は会社の昼休みにバレーボールやキャッチボールなどを楽しんでいる姿をよく見かけましたが、最近あまり目にすることがなくなってきました。
そこで実際に臨海工業地帯にある企業を訪ね、企業の中のスポーツの取り組みの現状を伺ってみることにしました。
臨海工業地帯にある大小約300の企業の内、今回は興亜石油株式会社大阪製油所・コスモ石油株式会社堺製油所・新日本製鐵株式会社堺製鐵所の3社(50音順)と財団法人大阪府臨海・りんくうセンターにご協力をお願いしました。

やっていました昼休み
3社とも共通して、バブル崩壊後そして、特にここ1~2年の間に企業内スポーツクラブへの補助金はカットされてきている中で…。
興亜石油では、バドミントン、テニス、ゴルフのアプローチ、サッカー、そしてトレーニングと構内の施設等で心地よい汗を流していました。
バドミントンの岩垣さんは「企業の2部と5部の大会に出場しています。一度は1部に上がったが、毎日長時間の練習が苦痛になって、今は2部のままで活動しています。昼休みのプレーは楽しく、上下関係も忘れストレスも解消できる」と語ってくれました。
コスモ石油では、各部署が1名ずつヘルスケアリーダーを決め、公の行事として、1ヶ月で80㎞~90㎞のウォーキングを達成したらプレゼントという企画をしています。またNo「残業・会議」Dayなどの日にはスポーツ等を楽しめます。
自主的なスポーツ活動も活発で、ジョギング・テニス・バドミントン・ゴルフのアプローチ・ソフトボールと、広い構内を利用して楽しく活動しています。
新日鐵では、伝統あるバレーボールや柔道クラブ以外は補助金は出ていません。
しかし昼休み、トレーニング、ジョギング、バドミントン、ソフトボールと、集まった人数で自由に楽しんでおり、ほかにもテニス、弓道、卓球などが行われています。
また各職場のヘルスリーダーが、ターゲットバードゴルフの大会を年4回企画。さらに健康保険組合の企画で万歩計を配り、日本地図にあてはめたカードが作られています。健康増進センターには、延べ回数による横綱、大関などの番付けがありました。他に、社員向けのテニススクール、ゴルフレッスンや、年1回恒例の「100㎞を歩く行事」があり、今年は京都からこの新日鐵までを、チームを組んで7時間以上歩いています。
新日鐵の河合さんは、昼弁当を食べやすいおにぎりにし、毎日大和川を5㎞ジョギングしている。現在大阪女子マラソンにあわせて調整中。「いろんな人に出会い声をかけ合えるこの時間が好き」なのだそうです。
スポーツへの考え方や取り入れ方は人それぞれだが、多くの人が自分の意思で活動している姿が印象的でした。

地域との関わり
3社とも地域のスポーツ指導に関わっている人がたくさんおられます。
コスモ石油では、地元の住民を対象に年2回、社員がボランティアでテニススクールを開催しています。
新日鐵は、新日鐵杯というバレーボール、野球、剣道など小学生から一般までの大会を開催し、十月には堺まつりに協賛してスポーツイベントを行っています。
臨海には、野球場、テニスコート、体育館等の施設を有する会社があります。いずれも危険物を取り扱う工場があり、施設開放を大きくアピールはしていないが、責任を持って使ってくれる団体には貸し出しはしているようです。

スポーツを通した企業間の交流!?
臨海工業地帯の入り口にある臨海・りんくうセンターでは、テニスコート6面、野球のグランド、会議室等、有料で誰でも使えます。
臨海・りんくうセンターでは事業の一環として『地域で働く人たちの親睦と健康な工業地帯づくり』を合い言葉に、毎年7月にソフトボール大会を開催し、スポーツを通して企業間の交流を行っています。今年の第33回大会は、3ブロック(ABC計64チームの参加)の試合が行われました。
この大会のCブロック決勝「ライオン対奥村組土木興行A」を取材して、両チームの、自由で強い動き、真剣でファイト溢れるプレー、そしてミスを責めず互いに信頼し合ったゲーム展開になぜか新鮮な感動を覚えました。結果は最終7回裏ライオンの逆転ホームランでゲームの幕は下りました。Aブロックは新日本製鐵が、Bブロックは大日本インキ化学工業がそれぞれ優勝を果たしました。
毎日の生活に欠かせないものとして企業の中にしっかりと根をはやし、まさにスポーツが生きていました。
ただ、各社内のスポーツ活動に参加する人は40歳以上の人が多く、若い人に、もっと参加してほしいというみなさんの思いが取材を通じて強く感じられました。