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【スポーツインフォメーション堺 Vol.7】 |
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●特集…いきいきクラブ大集合 |
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スポーツ教室からクラブへ―昭和46年9月、大浜体育館が開館して以来、今年で、30周年を迎えます。その間に堺市では5つの体育館が開館しています。堺市では、大浜体育館開館当時より全国に先がけてスポーツ教室を開催してきました。また、その教室に集まった仲間たちがクループをおこし、活動されているクラブが数多くできてきています。今回は、その中でも特に息の長いクラブ、活きのいいクラブとスポーツ教室から巣立ったばかりの生き生きクラブをご紹介します。
柔剛会
柔剛会は、大浜体育館の柔道教室参加者やOBが親睦をはかるために結成されたもので、教室以外での練習はほとんど行っていませんでした。それが、約11年前、平成元年の夏に堺市役所柔道部か発足し、その活動を活発にするため、柔剛会の一員でもあった河村浩志郎さんに話を持ちかけたのが、柔剛会と堺市役所柔道部の二人三脚の活動の始まりで、しだいに参加者も増えてきました。その後堺市役所柔道部は「柔剛会」の事務局としての役割を果たしています。
現在、常時参加者は50~60人前後。毎週2回(水曜・土曜)の夜間に活動しています。メンバー構成は小学生から社会人までと、非常に幅広く、各大会での練習生の活躍には目を見張るものがあります。
活動場所の確保は、スタート時点では、大浜体育館の共通使用を利用していましたが、現在は、他クラブとも協力して専用使用で場所を確保しています。柔剛会の特色は、所属にとらわれず、自由に参加でき、また、個々の課題(目的)による練習ができることです。また、年齢制限がなく低年齢層の参加者が多いということです。
しかし、運営面では大きな課題を抱えているようです。中心メンバーの柴田恭明さん・大音雅治さんは「活動が活発になるにつれ現在の運営費では限界にきている。」また「参加目的・練習目標などいろんな点で自由度が高い反面、柔道のスタイルや参加意識の面で、ばらつきがある。」さらに、「運営面で特定の人への負担が大きくなっている。今後は運営人の強化が必要。」
「さらなるレベルアップを望む練習生と健康の保持増進(生涯スポーツとしての柔道)を目的とする柔道愛好家との調和を図る方策を検討すること。」「運営に携わるメンバーを育成すること。」「運営費を確保すること。併せて、会則や役員体制等の整備が必要になる。」と熱心に語ってくれました。
大浜バドミントンクラブ(OBC)
バドミントンをやっている人なら、大浜バドミントンクラブ(OBC)の人と一度はネットで相対したことがあるのではないでしょうか。そんな伝統あるクラブの会長である富田哲男さん(S59年ごろから役員として活動)にお話をうかがいました。
発足当時のことは、よくわからないそうですが、発足して20年以上経っているとのことです。現在、会員は約60名。日曜日の夜間を中心に活動されています。今は初心者の参加が少なくなっているとのことですが、誰がきても、楽しく汗を流して満足して帰れるように配慮されているそうです。具体策としては、練習の前半でミーティングをし、時間設定をして、みんなで共通の練習を少ししてから、最初のゲームだけは、初心者もベテランも全員混ざって行う。その後は、それぞれの目標の練習やゲームを行う。これは、OBCにとっては大変重要なシステムですが、会員のさりげない協力があってできることです。
また、富田さんは、OBCニュースを毎月1回程度、編集発行され、現在、第165号(第1号は昭和62年7月5日)になるそうです。
「会長と事務局の仕事を一手に引き受けて、疲れませんか?」と尋ねたら、「確かにニュースの編集は深夜になることもあり、大変ですが、パソコンを使うのも練習になるし、こういうこと自体も嫌いではないので、結構楽しみながらやってます。しかし、後継者の発掘や事務局体制の強化は本当に必要ですね。」と笑顔で語ってくれました。
OBCの会員には、他のクラブに所属されている方も多く、試合の時は、敵同士になることもあるのですが、OBCは、より多くの方に参加してもらうため広く門戸を開いておられます。そして、しっかりとした会則を持ち、一年に一回総会も開いておられ、会員相互による運営が行われているクラブでもあります。
大浜バレーボールクラブ
大浜バレーボールクラブは、大浜体育館が開館し、バレーボール教室参加者の皆さんが習っているだけではなく、外で試合がしたいということで、西野尚文さんが中心になって始まりました。それ以来9人制の男子クラブとして活動して20年以上になります。盛況時は、3チームでき、堺市以外からももっと強くなりたいという人が集まってきました。クラブ連の全国大会にも何度か大阪府代表で出場したり、近畿総合の9人制大会で3位になったりと活気のある活動をしていました。
しかし、「今はクラブ員も歳をとり、(若い人もいるのですが)堺の試合の日に集まって試合に出るだけで、その試合もよい戦績を残せずにいるんです。」と西野さんはおっしゃっていました。このように、現在は、大浜バレーボールクラブ本来の活動は活発ではないようです。しかし、今は、「好きやからやっている。」と、生き生きした声で西野さんが、語っておられたように、クラブメンバーも含め、ソフトバレーボールチームを作って活動していることを話してくれました。
なみはや国体のリハーサル大会のときに、堺で開催されるのに、堺のチームが出場しないのはと、万代忠美さんが声をかけ、集まり始まったそうです。それからママさんバレーボールのメンバーも加わり、今や40代~60台の33名のメンバーは、どなたも若い頃は、うでに覚えのある方ばかりです。全国各地の大会に行くと、強すぎて怖がられているようですが、楽しむのはもちろんのこと、バレーボールにまだこだわりたいし、各地の温泉も試合の度に行けるので、今は充実しているようです。また、各地には、若い頃の知り合いが、同じようにバレーボールを続けているので、会えたりするから楽しいということでした。
年齢とともにクラブとしての活動は変化してきたものの、メンバーの方々のバレーボール好きの純粋な心は、創設当初よりも増し、協会・連盟の運営、初心者の指導者として、そして何よりも生涯現役プレーヤーとして活躍されていかれるでしょう。
初芝剣正会
「三位一体という言葉があります。子供と保護者と指導者が一体になるといいものが出来てくるんですよ。小さいはまだ稽古着を洗うことはできません。でも、両手ぬぐいは洗えます。風呂でお父ちゃんが洗い方やねじって絞ることや、ていねいにたたむことなどを教えると、団子に丸めて絞らんようになるし、物をていねいに扱うようになります。稽古着のたたみ方は、合宿の時などにお母ちゃんに教えてもらいます。」と熱心に話してくださったのは、発足の時から指導されてきた林忠義さん。
昭和61年に開館した初芝体育館。翌年4月から1年に5期の剣道教室などのスポーツ教室が開催されました。熱心な参加者から、教室の各期のブランクの間も練習したいという声があがり、当時の保護者と指導者の協力で、初めは4人の子供で自主活動が始まったのが「初芝剣正会」のスタートです。十数年たった現在、30名以上の会員に増えています。
「きれいすぎる言い方をすれば、剣正会は、『剣道を通じて立派な青少年の育成をはかること』と『生涯スポーツ』を実践してきたクラブです。子どもたちにはこんなことを言ってもわかりませんから、『こんにちは』『ありがとう』『さようなら』を相手の目を見て言えたらいいと言っています。あいさつのできる子、礼儀をわきまえた子をつくりたいと思っとるんです。」と林さん、指導者と保護者の心が一体となった目標が、子供たちに熱く注がれている様子がお話をうかがっていて伝わってきます。
受験期に一時休会していた子供たちもぼつぼつ戻りはじめ、大人と子供が共に稽古する活気のある風景も見られる時がある。いずれ子供たちが大きくなり、四段、五段となって『もとだち(コーチ)』として、新しく入った子どもたちの前に立つことも夢ではありません。
さわやかショートテニスクラブ サクラショートテニスクラブ
平成10年夏、初芝体育館の「ときわ教室」に参加されている皆さんの中から、ショートテニスを本格的にやってみようという声があがりました。「さわやかショートテニスクラブ」と「サクラショートテニスクラブ」という二つのクラブが同時に誕生しました。
さわやかショートテニスクラブ発起人の田上寿恵子さんは、「高齢者の集まりですから、楽しさ、なごやかさを優先に考えていますが、将来は正式なルールやゲームの進め方をみんなで覚えれたらと思っているんです。」という思いでメンバーを集められました。発足早々にテニス連盟の方を講師に招いてコーチを受けられました。男性混じりのグループであり、手作りのカウント板を使って試合をされています。
一方、サクラショートテニスクラブの発起人のト蔵倍子さんは、卓球クラブでは、他の方のお世話になったので、「今度は自分にもできることは」と思って世話をされているそうです。「会費は、お花見とクリスマス会兼忘年会で使い切ると決めたのに新年会もやりましょう。」という声もあがり、常に「健康に生きる」を目標に、ひそかに「美容」を期待している女性だけのグループです。
両グループとも今では、申込み係・準備運動係・会計係などをメンバー全員(平均年齢70ウン歳)で交代しながら活動をすすめています。
練習時間こそ違え2つのグループは、顔なじみの方ばかり。現在は、参加したい希望者があってもコート面数の都合で待機していただいているといううれしい悲鳴の状況ですが、今後は、互いに交流をはかりながらよりよいクラブ作りに励んでいただきたいと思います。
今回は、本当にごく一部のクラブしかご紹介できませんでした。申し訳ありません。「わたしとこはこんなに元気やで」「こんな活動して楽しんでるよ」という声を是非発信してください。(記事募集します)
昨年、堺市の体育館等の施設を利用されているグループ・団体の皆様のご協力をいただいた調査の結果、36クラブ(回収約170グループの内)が、スポーツ教室の参加者が母体となってクラブができているようです。堺市のスポーツ教室が市民の皆様のスポーツライフに少しでもお役に立っていることをうれしく思います。
これからクラブをつくろうかなと思っていらっしゃる方、そんな難しいことは無理と思っていらっしゃる方も、今回ご紹介した各クラブのみなさまのパワーをもらってクラブ創立を目指してみてください。そして、これからは、みんなのパワーを結集して、クラブ同士の交流を深められるようになれば、より豊かなスポーツライフが実現できるものと思います。
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